一時はSF系コスプレも効いたキャラ立ちソウル・コーラス・グループ、ラベルのメンバーだったサラ・ダッシュがニュージャージー州で急死した。彼女は9月18日、ニュージャージー州アトランティック・シティでのパティ・ラベルのショウでちょっとステージに立ち歌っていたという。

 生まれは同州の、トレントン。父親は牧師で母親は看護婦をし、13人の兄弟姉妹がいた。彼女に加え、パティ・ラベル、ノーナ・ヘンドリックス(2010年9月4日)からなるラベルの、アラン・トゥーサン(2006年5月31日、2006年6月1日、2007年10月21日、2009年5月29日、2011年1月10日、2012年10月15日、2013年10月22日、2015年1月21日)制作による1974年電波系艶歌「レディ・マーマレード」は全米1位に輝いた。その曲のステージ立ち位置は、彼女が中央だった。それ、王道派のパティ・ラベルと革新派のノーナ・ヘンドリックスのちょうど中間にいたからという話もある。なお、「レディ・マーマレード」は常識なんかに屈しない、したたかな強い女性を顕すようなアンセムに近いものに今はなっているか。

 その前身グループの結成は1960年代初頭で、ラベルとなったのは1971年。そして1976年まで、視点を持つ6枚のアルバムを発表。また再結成盤『Back to Now』がヴァーヴから2008年に出された。それ、ぼくが日本盤解説を書いたな。1977年にはパティとノーラがエピックから、1978年にサラが当時CBS傘下にあったカーシュナーからリーダー作をリリース。その後、10年にわたり彼女は最低でも4枚のソロ・アルバムを出しているはずだ。1988年マンハッタン/EMI盤にはパティ・ラベルが入った曲も収められていた。1990年代中期には映画曲のために集結したこともあったし、3人は離れていてもお互いの持ち味を認め合い、仲が良かったように思う。

 そんなサラ・ダッシュというと思い出されるのは、1980年代後期以降、キース・リチャーズやザ・ローリング・ストーンズ(2003年3月15日)の録音セッションにいくつも呼ばれていること。3人の中では一番素直な歌い方をしていたと思うが、それだけでもぼくのなかでは彼女は燦然と輝く。また、ラベルというと、ローラ・ニーロとの絡みを思い出す人もいるかもしれない→https://43142.diarynote.jp/201603281027273371/ の下方記載参照のこと。

 日本に情報はあまり伝わってこなかったが、彼女はソロのショウ打ちもいろいろしていたよう。また、社会貢献にも力を入れ、ニューヨークで子供を持つホームレスの独身女性を助ける活動を熱心にした。「Dash of Diva」という自伝もあり、同名のミュージカルも自ら書いたという。

▶︎過去の、ザ・ローリング・ストーンズ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-3.htm 3月13日(バック・バンド)。15日 ストーンズ
https://43142.diarynote.jp/201904200941516964/ ストーンズ展
▶︎過去の、ノーナ・ヘンドリックス/ラベル
https://43142.diarynote.jp/201009151537076176/
▶過去の、アラン・トゥーサン
http://43142.diarynote.jp/200606071933120000/
http://43142.diarynote.jp/200606071936190000/
http://43142.diarynote.jp/200710221206190000/
http://43142.diarynote.jp/200906051614524790/
http://43142.diarynote.jp/201101111202336229/
http://43142.diarynote.jp/201210201217291727/
http://43142.diarynote.jp/201310241000242214/
http://43142.diarynote.jp/201501220923108418/
https://43142.diarynote.jp/202106092115452309/ 没後のニュース

 夜、代官山・晴れたら空に豆まいて で、“PIANO WARP”と題された出し物を見る。ピアノ/装置とトランペットを操るTAKUYA NAKAMURA(2007年4月12日、2012年6月25日、2016年11月18日、2020年1月10日)と舞踏のATSUSHI TAKAHASHI(2018年3月22日、2021年6月30日)の2人による。ピアノの弦に何かを挟み、通常のピアノ音とボディから拾った乾いた効果的な音の二つを装置を介して広げ、また適材適所でトランペット音も入れる中村卓也の手腕に頷く。いい感じ。なんか経験と技と閃きが綺麗に絡み合って文様を描いていた。その音にまた絡んでATSUSHIは動き、フロアやステージで身体を動かす。彼はときに、ストゥール状の布やライトも巧みに用いる。2箇所にあった灯りは彼の動きに合わせてついたり消えたりもしていたが、誰がそれを操作していたのだろう。2人のパフォーマンスに触れていて、なんか贅沢な気持ちにもなった。

▶︎過去の、中村卓也
https://43142.diarynote.jp/200704151310110000/
https://43142.diarynote.jp/201207031323242844/
https://43142.diarynote.jp/201611211530147646/
https://43142.diarynote.jp/202001111407501067/
▶︎過去の、ATSUSHI
https://43142.diarynote.jp/201803231446465272/
https://43142.diarynote.jp/202107021050388675/

<今日の、旧山手通り>
 ちょうどいい季節だな。夕方、テラス席で和み、そう実感することしきり。そして、日が暮れるのが早くなったことも認知し、ほのかに冬の気配を覚えて少し悲しくなる。真夏もそうだが、寒い冬も嫌いだー。代官山の蔦屋書店をすごく久しぶりにのぞいたが、まだちゃんとあった。完全に、利益を度外視しているんだろうな。

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