試写状には簡単なデーターとともに宣伝用文章も載せられているが、近年のなかでは一番、それを見て面白そうな映画と思えたか?

 1993年生まれの青柳拓監督による2021年映画「東京自転車節」はまさしく、コロナ禍に入って以降の映画だ。甲府の地元で代行運転のアルバイトをしていた監督が3月下旬以降仕事がなくなり、奨学金返済も待ったなしで大ピンチ。映画単科大学時代の知人が東京でウーバーイーツの配達員をしているのを受けて4月下旬に上京、新宿を拠点とするウーバーイーツの道に入る。それは映像化もアリというお目論見もあったようだ。

 ドキュメンタリーで、アイフォンなどを用いたユーチューバー仕様にて映像は撮られる。だが、画質に不満を覚えることはなかった。緊急事態宣言が出された東京の風景や人々をウーバーイーツの配達譚とともに、瑞々しく描く。ものかと、当初は思った。甲府から自転車に乗って元気に上京したり、中盤までクスッとできる妙なユーモアが映像に出てきたりもして、そういう部分もあるのだけど。

 約2ヶ月のマテリアルをまとめる。おれ、ウーバーイーツにはなんか抵抗を感じており、ときどきディスカウント券が投函されていても利用したいと思ったことはなかった。その内側を伝えもするこれを見て、やはり思うところもあり使いたいとは思わない。一言でいえば、人間性軽視であり〜その流れを受け、映画仲間とケン・ローチ監督の話にもなる〜、過酷。ゆえに主人公が壊れていくところも映し出されたりもし、映画にダークな色調が正直に出てきてしまい、途中から少し息苦しさを覚えたりもした。また、監督の思考が青いことも映画に没入することを妨げたか。ぼくの半分以下の年齢だから、それも致し方ないのだが。真面目な好青年と思う。また、東京の街角で面白いおじいさんやおばあさんとも出会っていて、それは彼の大きな才能だ。

 この7月より、トードショー公開される。ぼくの期待していたものとはちょい違ったが、この期間にいろいろな思いを持つ人なら、見て損はない映画と判断する。渋谷・映画美学校でのこの日は初回の試写で、上映前に監督が挨拶。誠実そうな人だった。なお、「炭坑節」のメロディに歌詞を置き換えたような映画と同名の民謡調曲がオープニングとクロージング、さらには劇中にも流される。

▶︎過去の、ケン・ローチの映画 
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live2.htm
https://43142.diarynote.jp/201910241554278796/
▶︎過去の、ケンの息子のトム・ローチの映画
https://43142.diarynote.jp/201201171011033219/


<今日の、どよ〜ん>
 朝刊に、イスラエルの状況を伝える記事が出ていた。半数強の国民が2回ワクチン接種を終了していてるそうで、1月中旬には1日1万人を超えた新規感染者が現在は100人を切るほどになっているという。イスラエルは集団免疫を得た、という話も出てきているという。また、米国では2割が接種を終えたが、やはり死亡者数は急減しているという。一応、ご利益あらかたのよう。接種を終えた証明書を取らないと海外渡航がしづらくなりそうな気配も今後あるので、ぼくは受けたい←ぼくの周りには複数、副作用の心配もあり効果もはっきりしないので受けるものかという人がいる。
 その場しのぎのハンパなことしかできない、私利私欲だけで生きる為政者を憂う。多くの日本人が望んでいない五輪を強行しようとするなら、ワクチン接種は最低限の事項ではないか。どうして感染者が増えるかと言えば、非感染者が自覚のないキャリアと接触するからに他ならない。だったら、検査体制をもっと綿密にすすめ、陽性者の外出を抑えることが肝要ではないか。予防接種が進まないのなら。ロックダウンもどきをするより、それが一番だとぼくは思う。ところで、昨日から厳しい行動制限が解除されみんな笑顔〜というメールが、ロンドンの知り合いからあった。

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