大物ラッパーのDMX(ダーク・マスター・Xの略)が亡くなった。本名アール・シモンズ、ニューヨーク州マウント・ヴァーノンの生まれ。薬物過剰摂取でニューヨーク州の人気住宅地ホワイト・プレーンズの病院に運ばれ、生命維持装置が外されたという。14歳からドラッグをやりつつけ、薬禍話には事欠かなかった人。大昔のジャズ・マンやロッカーみたい? また、各種犯罪でいろいろパクられて、娑婆と刑務所を行き来してきた人でもある。今回、バイオをチェックしたら、少年期からかなり辛い環境で育つことを強いられており驚いた。

 その過酷な育ちの裏返しかどうかは分からぬが、竹を割ったようなガチンコなラップを聞かせた。トラックも小細工を排するぶっといものを用意し、力強いフロウを披露。パっと聞くぶんには、ガラっぱちな声質が魅力の、イケてるラッパーであったのは間違いない。ビョーキ的な暗さがなく、人間が肉声を出しているという風情が、ぼくは好きだった。残念ながら、リリックをちゃんと分析したことはないものの。母親は熱心なエホバの証人信者であったようで、彼には敬虔なクリスチャンという側面があったとも伝えられる。つぶらな瞳を持つ男前のヤツだったとも思うが、女好きで、子供や私生児は多数のよう。全米ナンバー1アルバムを複数枚持ち、グラミーの最優秀ラップ・アルバム賞も受賞している。1990年代後半に契約したデフ・ジャムを代表する一人でありました。

<今日の、わ>
 かなり過去の方から、連絡あり。でも、ほっこり。こういうことは、コロナ禍でなくてはないものだろう。こういう状況、人との結びつきとか、掘り返したりするな。

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