恵比寿・東京都写真美術館で、日本とポーランド国交樹立100周年を記念して企画された展を見る。「しなやかな闘い ポーランド女性作家と映像 1970年代から現在へ」という表題に示されているように、50年近く前からの、ポーランド人女性による映像作品を展示する。8月から持たれ来週まで続く出し物だが、平日であるにも関わらず、けっこう人が入っていて驚く。当然、途中に民主化を挟むわけだが、結構な数の展示がなされたいた。

 民主化前からポーランドには刮目すべきポップ・カルチャー調のアート感覚を持つ人が少なくなかったとぼくは思っており、そういうものを少し期待していったのだが、内容は違っていた。どの時代のものにせよ、アヴァンギャルド目。冷笑的な視点や諧謔を抱えもし、そういう作風は民主化前のものも同様だ。そして、トーンが暗めというのも、少なくてもここに集められたものについては指摘することができる。飛ばし気味に見たが、じっくり吟味しようと思ったら、けっこう時間がかかるだろうなー。

 そのあとは、スウェーデン大使館のアルフレッド・ノーベル・オーディトリアムでの催しを見る。普段行くのは大使公邸のほうだったが、大使館のメインの建物には小ホールのようなものがあるのだな。

 まず、ヴァイオリンと歌のダニエル・ヴィクスルンドがにこにことパフォーマンス。ヴァイオリンは複音弓弾きとピチカートの併用を見せ、ヴォーカル曲の場合は英語の曲が多かった。事前の案内にヨイクの文字があったので、その系統にいる人なのかと思ったら、そうではまったくあらず。トラッドを自分の感覚で、足のストンプ音込みで、ウィティに披露していた。

 その後は、サーミ民族学者であるというエリーナ・ニーゴードによる、映像を介してのレクチャー。彼女は民族衣装っぽい服を着て、おおらかにことを進める。極寒の先住民族であるサーミの説明をする際、彼女は日本だと北海道のアイヌのような存在と説明。残念ながら、独特の歌唱を抱えるサーミ人の民謡であるヨイクについてはほぼ言及されなかった。

▶︎過去の、ヨイク関連アーティスト
https://43142.diarynote.jp/201007081547031840/
https://43142.diarynote.jp/201001201250553549/
https://43142.diarynote.jp/201610241405267224/ アルヴァス
https://43142.diarynote.jp/201810031028426328/

<今日の、取材>
 午後一から、リムデン(2019年10月7日)の3人にインタヴュー。一緒にやらないと声をかけたのはブッゲ・ヴェッセルトフトであったそう。リムデンの第一作において3者連名になっているフリーフォーム曲(1曲め)以外は、3人がそれぞれ曲を出しあっている。E.S.T.時代はピアニストの故エスビョルン・スヴェンソンの曲をやっていたので、自分たちも曲を出せるのはうれしいとのこと。個別の活動のことも聞いたが、ブッゲが前に女性バンドを率いたのは、「ジャズ界は男社会で、なかなか女性は出られない。その状況を僕は少しでも変えたかった」。おお、格好いい発言じゃん。ジャズランドはビーディ・ベルとか、女性にも門戸を開いていた。
▶︎過去の、リムデン
https://43142.diarynote.jp/201910081218288479/
▶︎ブッゲ・ヴェッセルトフトの女性バンド
https://43142.diarynote.jp/201610110957506440/
https://43142.diarynote.jp/201701301326224033/ ドラマーはトゥーレ・ブルンボルグの娘だった
▶︎過去の、ビーディ・ベル
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-5.htm ブッゲの項

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