映画「マイ・フーリッシュ・ハート」
2019年9月30日 音楽 京橋・テアトル試写室で、ジャズ史にきっちりと名を刻むトランペッター/シンガーであるチェット・ベイカー(1929〜88年)を題材に置くオランダ映画を見る。
ヤク中〜コワれたダメ男を貫き通したベイカー(その裏返しとは言わないが、受け手の想像性を喚起する珠玉のジャズ表現を会得した。まあ、昔のジャズなんてロックやクラブ・ミュージック以上にドラッグゆえの名演みたいのはべらぼうに多い)は、1988年5月13日夜にアムステルダムのホテルで転落死した。そして、1983年オランダ生まれのロン・ヴァン・アイクの初長編映画となるこの映画は、その転落の原因が不明となっている死に焦点を合わせ、事実とフィクションを交錯させつつ、不世出のジャズマンの晩年の姿〜ベイカーのモヤモヤしたキャクターや人生を浮き彫りにせんとしている。ストーリー性に満ちる音楽性と人生を持つベイカーについては、ドキュメンタリー映画「レッツ・ゲスト・ロスト」(ブルース・ウェーバー監督、1988年)とイーサン・ホウクがベイカー役を務めた伝記映画「Born to Be Blue」(ロバート・バドロー監督、2015年)があるので、変化球と言いたくなるベイカー映画を作ろうとしたのはよく理解できる。ヴァン・アイクはベイカーが晩年に住んだアムステルダムの関係者に取材し、3年がかりで脚本を作ったという。
ベイカーよりゴツそうとは思わせるがさほど違和感なく役を演じているのは、アイルランドのロッカー/役者のスティーヴ・ウォール(https://www.facebook.com/stevewall.musician.actor/。ぼくは知りませんでした)。彼はトランペットの指使いも覚えたそうで、劇中で歌われる歌も彼が歌っているのだろうか。ベイカーの演奏/録音シーンで流れる音楽はオランダ人ジャズ・マンが作っているようで(エンド・ロールの曲クレジットがぼけていて解読不能だった)、トランペット音は欧州ビッグ・バンド畑で知られるルード・ブレールス(1962年生まれ)が提供している。
ベイカーと重なる闇を抱えるオランダ人の刑事が死の真相を追っていく流れのなかで、ベイカーの晩年の姿をいろいろと交錯させる作法は興味深い。言語は刑事が出てくるシーンはオランダ語が中心で、ベイカーが出てくるシーンは英語が使われる。ヴァン・アイクが覚えるところのジャズの美学は随所に投影されてもいるこの映画は、11月上旬からロードショー公開される。
<今日の、なんとなく>
街に、外国人男性グループが目につくような。それ、ラグビーのワールド・カップのため訪日している人たちなのだろうか? あー、やっぱ1試合ぐらいみたいーーー。
ヤク中〜コワれたダメ男を貫き通したベイカー(その裏返しとは言わないが、受け手の想像性を喚起する珠玉のジャズ表現を会得した。まあ、昔のジャズなんてロックやクラブ・ミュージック以上にドラッグゆえの名演みたいのはべらぼうに多い)は、1988年5月13日夜にアムステルダムのホテルで転落死した。そして、1983年オランダ生まれのロン・ヴァン・アイクの初長編映画となるこの映画は、その転落の原因が不明となっている死に焦点を合わせ、事実とフィクションを交錯させつつ、不世出のジャズマンの晩年の姿〜ベイカーのモヤモヤしたキャクターや人生を浮き彫りにせんとしている。ストーリー性に満ちる音楽性と人生を持つベイカーについては、ドキュメンタリー映画「レッツ・ゲスト・ロスト」(ブルース・ウェーバー監督、1988年)とイーサン・ホウクがベイカー役を務めた伝記映画「Born to Be Blue」(ロバート・バドロー監督、2015年)があるので、変化球と言いたくなるベイカー映画を作ろうとしたのはよく理解できる。ヴァン・アイクはベイカーが晩年に住んだアムステルダムの関係者に取材し、3年がかりで脚本を作ったという。
ベイカーよりゴツそうとは思わせるがさほど違和感なく役を演じているのは、アイルランドのロッカー/役者のスティーヴ・ウォール(https://www.facebook.com/stevewall.musician.actor/。ぼくは知りませんでした)。彼はトランペットの指使いも覚えたそうで、劇中で歌われる歌も彼が歌っているのだろうか。ベイカーの演奏/録音シーンで流れる音楽はオランダ人ジャズ・マンが作っているようで(エンド・ロールの曲クレジットがぼけていて解読不能だった)、トランペット音は欧州ビッグ・バンド畑で知られるルード・ブレールス(1962年生まれ)が提供している。
ベイカーと重なる闇を抱えるオランダ人の刑事が死の真相を追っていく流れのなかで、ベイカーの晩年の姿をいろいろと交錯させる作法は興味深い。言語は刑事が出てくるシーンはオランダ語が中心で、ベイカーが出てくるシーンは英語が使われる。ヴァン・アイクが覚えるところのジャズの美学は随所に投影されてもいるこの映画は、11月上旬からロードショー公開される。
<今日の、なんとなく>
街に、外国人男性グループが目につくような。それ、ラグビーのワールド・カップのため訪日している人たちなのだろうか? あー、やっぱ1試合ぐらいみたいーーー。
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