カナダ東海岸のケルト系トラッド3人組のライヴを、赤坂・カナダ大使館のオスカー・ピーターソン・シアターで見る。フィドル(けっこう。ギターのように横に抱えて指引きしている場合もあり)とヴォーカルとビート音とアコースティック・ギター(1曲だけ持つ)のティム・チェイソン、テナー・バンジョーとコーラスのコーディ・チェイソン(ティムとは従兄弟)、ギターとキーボードと口琴とコーラスのジェイク・シャロンからなり、<インストとヴォーカル曲>、<ダンス・ナンバーとシンガー・ソングライター的曲>、<メンバーの楽器の持ち替え>といったいくつかの要件を上手に合わさったパフォーマンスを1時間ほど披露。あ、3曲では彼らと一緒に来日した同じくカナダ人のステファニー・カドマン(2013年12月7日)が出てきて、彼らの演奏にステップ・ダンスを重ねた。そんな彼らのポイントは、まずティム・チェイソンがタンバリン音やパッド音を足ストンプで出すビート音の存在。実演ではそれが映え、今のトラッド・バンドであると思わせる剛性感やスピード感を持つことにそれは繋がる。かつ、その一方で人懐こいメロディアス曲も披露するなど、ご近所さん的伝統会得から来る滋味加減と今様なサバけたノリが自然に噛み合っているのがいいじゃないかとも思わすのだ。さらには、チェイソンたちが生まれ育ったプリンス・エドワード島の環境にも思いははせてしまおう。と、いろいろ触発させられるところがあったというわけです。

 その後は、劇場外の広いホワイエで、ザ・イースト・ポインターズの3人と15人ほどの日本人奏者たちが車座になってのセッションがはじまる。あら、ここではステファニー・カドマンはみんなに混じってフィドルを弾いているじゃないか。さらに複数のスーツ姿の日本人がステップ音をときに加えたりもするし、さらにその周りでダンスの話ができるときもあった。和気藹々、くだけた音楽の楽しみの前に国境なしみたいな様はTHE MUSIC PLANT 20周年記念コンサートの休憩時(2016年11月6日 )や、ピーター・バラカンズ・ライヴ・マジック2017 におけるウィ・バンジョー・スリー(2015年12月5日、2015年12月10日、2017年10月16日、2017年10月22日)主導のセッションと同様。別に音楽に限らず、こういう邂逅がいろいろとあれば、世の中もっと楽しくなるよなあ。

▶︎過去の、ステファニー・カドマン
https://43142.diarynote.jp/201312171612117786/
▶︎過去の、THE MUSIC PLANT 20周年記念コンサート
https://43142.diarynote.jp/201611101508243962/
▶過去の、ウィ・バンジョー・スリー
http://43142.diarynote.jp/201512091352434769/
http://43142.diarynote.jp/201512151502461490/
http://43142.diarynote.jp/201710181340402896/
https://43142.diarynote.jp/201710240958114009/

<おとといの、好漢たち>
 ザ・イースト・ポインターズの3人には、インタヴューをした。まさしく、ナイス・ガイ。終了後、みんなたいそう喜んでくれて何より。みんなサバけた若者然としており、パっと普段の姿を見たぶんにはトラッドをやっている人たちと思えないだろうな。とくにフィドルのチェイソンはイケ面だが、オフでは子供をあやすのが楽しくてしょうがないらしい。アルバムをだした昨年は特にツアーが多くて10か月もロードに出ていたそう。長髪のコーディは奥さんがオーストラリア人で、オフは豪州にいることも多いとか。

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