まず、六本木・ビルボードライブ東京でラウル・ミドン(2003年7月20日、2005年10月24日、2007年9月1日、2007年11月26日、2009年10月8日、2011年9月2日、2013年12月2日、2014年12月11日、2017年4月4日)の公演を見る。今回は、久しぶりにソロによるパフォーマンスとなる。基本、彼は立ってパフォーマンスをしたが、かつてソロでやる際は座っていなかったか。

 アコースティック・ギターをパーカッシヴに弾きながら、歌う。ときにボンゴも叩いたりもしつつ、声を踊らせる(あ、そういえば、アル・ジャロウ〜2003年3月13日、2012年3月2日、2014年11月19日〜・トリビュート作を作りたいそう。ギター・インスト作とか、いくつもやりたいことはあるようだが)。一時期ほどは、トランペットの口真似はしなくなったかな。わりと淡々と曲をこなしていく感じもありちょうど1時間ぐらいの尺のショウになるのかと思ったら、結果的にはアンコールを含めると80分越えぐらいやったのではないか。

 サプライズもあり。まず、中盤で1曲、彼はピアノ弾き語りを披露した。これまで何度も彼を見て来ているが、鍵盤を抑える姿に触れるの初めてだ。彼の新作は蘭メトロポール・オーケストラを起用した大掛かり盤なのだが、彼はそのストリングスが入ったトラックを流し、ギターを弾き歌うものも2曲。この際、彼は座っており、その音出しも彼がやったはずだが、全然わからなかった。さすが、機材オタクにして、スタジオ籠もり大好き人間。そんな彼の自宅スタジオはメリーランドにある。

▶︎過去の、ラウル・ミドン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-7.htm ルイ・ヴェガ
http://43142.diarynote.jp/200511130010390000/
http://43142.diarynote.jp/200709041842400000/
http://43142.diarynote.jp/200711290931440000/
http://43142.diarynote.jp/200910140952248669/
http://43142.diarynote.jp/201109121438367147/
http://43142.diarynote.jp/201312171132096072/
http://43142.diarynote.jp/201412251103164767/
http://43142.diarynote.jp/201704071410522354/
▶過去の、アル・ジャロウ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-3.htm
http://43142.diarynote.jp/201203062004221304/
http://43142.diarynote.jp/201411201009066886/

 その後、青山・月見る君想フに向かい、アンダーグラウンドな位置にいるらしい、台湾のFORESTS(森林)というバンドを見る。対バンはヤセイ・コレクティヴ(2013年8月22日)だったが、それには間に合わなかった。
 
 ヴォイスとエレクトロニクスのJON、ベースの KUO、ドラムの ZLからなるトリオ。一切照明を当てず、それはニュー・ウェイヴ期のバンドを思い出させる。背後にモノクロの抽象的な映像が映される中、彼らは超然と演奏。その様を聞き、ぼくがまず思い出したのはスロビング・グリッスルとかPILとか。彼らの場合、プリセット音も併用しつつ(ドラムの音もイフェクトがかけられメタリックな響きをとり、ベースはずぼずぼな音を出す)、悪意や棘の記号を埋め込んだインダストリアル調サウンドを送り出す。音圧あり、曲は長め。呪文のような肉声は何語なのかまったく分からなかったが、堂に入り、はまっている。すでに何度か来日しているとも聞いたが、おやじにとってはどこか懐かしくも、心地よい出音のバンドだった。聞きながら体が揺れ、お酒も美味しく飲めた。
▶︎過去の、ヤセイ・コレクティヴ
http://43142.diarynote.jp/201308251333326263/

<昨日の、ほほえましい話>
 昨日の夕方、ラウル・ミドンにインタヴューをした。右手の人差し指、中指、薬指の爪はきれいにマニュキアされていた。
 先にふれているように、ミドンの新作『イフ・ユー・リアリー・ウォント』は、ヴィンス・メンドーサ指揮/共同制作のメトロポール・オーケストラを起用した大掛かり盤。それは、昨年作『バッド・アス・アンド・ブラインド』(マック・アヴェニュー)よりも前、2014年にオランダで録音した材料を磨いたものだ。きけば、奥さんにオーケストラ作を出している人がいろいろいるのに、あなたはどうして出さないのと言われ、それまでもやりたいという思いは持っていたものの、資金の面とかで無理だと彼は思っていたんだとか。が、それで一念発起、CD を出すレーベルのあてもないまま突っ走り録音にこぎつけ、マック・アヴェニューが認めてここに商品化されるのだという。同作には、挾間美帆(2014年7月10日、2015年10月15日、2016年10月28日、2017年9月3日、2017年10月27日、2018年2月8日)がアレンジしている曲も1曲おさめられる。
 ところで、彼が身につけるハンチング、Tシャツ、ジャケット的にはおるシャツと、色あいや模様の統一性がとられていて、何気に趣味が良い。そこで、これらを選んでいるのは奥さんですかと尋ねると、うれしそうに頷く。彼はまったく格好に無頓着であったそうだが、3度目のデートのときに彼女が服を選んでくれ、後日その衣服を来て行ったら仲間たちが絶賛。それで、ミドンはその女性と結婚することを決めたそう。
▶過去の、挾間美帆
http://43142.diarynote.jp/201407111305232157/
http://43142.diarynote.jp/201510181000334516/
http://43142.diarynote.jp/201610311054183284/
http://43142.diarynote.jp/201709101639096076/
http://43142.diarynote.jp/201711020707155260/
http://43142.diarynote.jp/201802091845433242/

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