英国No.1リード奏者であるコートニー・パイン(2000年5月30日、2001年3月12日、2003年10月31日、2004年9月26日、2012年12月17日、2013年11月13日、2015年1月15日)の今回の来日公演は、なんと28年前のデビュー時にUKのステーヴィー・ワンダー(2005年11月3日、2010年8月8日、2012年3月5日)的逸材になるになると各所から大絶賛を受けたオマー(2001年3月25日、2004年6月28日、2006年2月5日)を擁してのもの。しかも、オマーは途中から加わるのかと思ったら、最初から最後までずっとステージにいて、へ〜え。オマーあんまし年取っている感じがなかった。あ、それは腰の辺までブレイズの髪を伸ばしていたパインも同様か。

 バンドはパインのもの。今回、ギターレスで毎度同行していたキャメロン・ピエールは欠席だが、ヴィダル・モンゴメリー(電気スタンダップ・ベース)とロバート・フォージョー(ドラム)というリズム・セクションはいつもの面々。そして、今回は4ヒーローとも繋がりを持つロバート・ミッチェル(ピアノ、キーボード)が一緒にやってきた。
 
 多くの曲は、オマーをコートニー・パイン・バンドがサポートするというのり。パインはテナー・サックスだけでなくベース・フルートやウィンド・シンセサイザー(オマー曲に合わせてか、それを手にする頻度は過去一番高かった)も吹く。しなやかに躍動するようなポップ・ソウル曲を歌うオマーはやはり才人だよな。彼はおなじみのヘアー・スタイルに、赤色のジャケットと靴を身につける。

 そして、2曲だけがインスト曲で、その際はパインはテナーで延々とソロをとる。イエイ。やはり、いいインプロヴァイザー! オマーはシェイカーやタンバリンを手にしていた。パイン主導による最後の客とのコール&レスポンスも無駄なく、実に適切。パインやオマーのことを知らなくても洋楽リスナーだったら、多くの人は大きな満足感を得るライヴではなかったのかと思う。最後の曲は、ハービー・ハンコックの「バタフライ」の歌詞付きヴァージョン。

▶過去の、コートニー・パイン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-5.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-3.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-10.htm
http://43142.diarynote.jp/200409280755420000/
http://43142.diarynote.jp/201212190844487864/
http://43142.diarynote.jp/201311161308131454/
http://43142.diarynote.jp/201501161004061742/
▶過去の、オマー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-3.htm
http://43142.diarynote.jp/200602081122350000/
http://43142.diarynote.jp/200406281801320000/
▶過去の、スティーヴィー・ワンダー
http://43142.diarynote.jp/200511130015240000/
http://43142.diarynote.jp/201008261618276388/
http://43142.diarynote.jp/201203062006429595/

 そのあとは、南青山・ブルーノート東京でまったく力量が衰えていない化け物ドラマー(2004年1月27日、2010年12月1日、2012年11月26日、2013年9月3日、2004年1月27日、2010年12月1日、2012年11月26日、2013年9月3日、2016年2月19日、2016年12月6日、2017年6月12日)のリーダー・グループを見る。

 マイケル・ランドウ(ギター)、ケヴィン・ヘイズ(キーボード)、ジミー・ジョンソン(ベース)、ウォルト・ファウラー(フリューゲルホーン、トランペット)という、おなじみのワーキング・バンドで、皆んなで和気藹々。基本、ミディアム・テンポ以下の曲(ジョミー・ジョンソンやケヴィン・ヘイズの曲と紹介されるものが多かったか)なんだが、どっちかというとアッパーな曲にひかれるぼくもおおいにいい味出しているなあと寛ぎつつ引き込まれる。変な説明になるが、各人の技量と妙味が無理なく重なるそのバンド・サウンドは、ぼくが嫌うところのフュージョン味が皆無なんだよなあ。かといって、やはり純粋なジャズではないし……とか、演奏に浸りつつ、ぼくは余計なことをちらり考えてしまった。

 しかし、御大ただ今73歳。髪の毛もふさふさしているし、本当に元気だ。また、ここ数年でマジ、来日回数が増えているしなあ。もう、ひとつひとつのスティックや足さばきが雄弁にして、活きまくり。近年、こんなにガッド好きになろうとは思いもよりませんでした。

▶過去の、スティーヴ・ガッド
http://43142.diarynote.jp/200402051855170000/
http://43142.diarynote.jp/201012051903113851/
http://43142.diarynote.jp/201212101904379741/
http://43142.diarynote.jp/201312171510083393/
http://43142.diarynote.jp/201410220711345595/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160219
http://43142.diarynote.jp/201612091513593556/
http://43142.diarynote.jp/201706130913351348/

<今日の、人気者> 
 隣に座っていたのは、韓国から来ていた若い女の子ふたり。あれ、ブルーノート・ソウルってなかったけと聞いたら、ないそう。とても悲しそうだった。あったことなかったか? 彼女たち、まじスティーヴ・ガッドを見に来たようで、やんやの喝采を送っていた。そんなビッグ・Sはこのまま日本にいて、20日すぎからの桑原あいのツアーにウィル・リーとのコンビで加わる。そちらでは彼、ブラシを多用するはず。

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