イスラエル人のジャズ素養/技量の高さを伝える代表的存在であるベース奏者のアヴィシャイ・コーエン(2006年5月17日、2014年1月21日、2015年5月14日、2017年10月18日)のバンドに参加し知名度を得た、やはりイスラエル人のピアノ奏者であるニタイ・ハーシュコヴィッツ(2014年1月21日、2015年5月14日)のリーダー公演を、丸の内・コットンクラブで見る。ファースト・ショウ。テルアヴィヴの“ブレインフィーダー”たる“ロウ・テイプス”からエレクトロが入ったアルバムも2016年に出している彼(すごい細くて、女性的な感じを与える)だが、今回のショウは完全アコースティック・ジャズ仕様を取る。

 ダブル・ベースのオル・バレケット(2018年6月19日)とドラマーのアミール・ブレスラーもまたイスラエル人。ドレッド的髪型をしているバレケットはバンダ・マグダ(2016年1月19日、2017年12月11日)の『ティグレ』(グラウンドアップ、2017年)に入っており、基本レギュラー・グリップで叩いていたプレスラーはやはり“ロウ・テイプス”からアフロ・ビート曲(それほど、おもしろいものではない)のシングルを出している。といったように、彼らもまた純ジャズだけに対峙しているミュージシャンではない。だが、見事に3人は抑制美と詩情にあふれたピアノ・トリオ表現に邁進。オリジナルを中心にオーネット・コールマンやチャーリー・パーカー曲も改変しつつ取り上げたその総体は、変わらなくていいジャズ・ピアノ・トリオの様式/美学と今の若手ミュージシャンが持ち得るちょっとした空間感覚やタイム感をともに抱えるもになっているのだから唸るしかない。両刀、ばんざい。頼もしいとも、強くぼくは感じた。

▶過去の、ニタイ・ハーシュコヴィッツ
http://43142.diarynote.jp/201401221432209419/
http://43142.diarynote.jp/201505150911423384/
▶過去の、アヴィシャイ・コーエン(ベーシスト)
http://43142.diarynote.jp/200605190943240000/
http://43142.diarynote.jp/201401221432209419/
http://43142.diarynote.jp/201505150911423384/
http://43142.diarynote.jp/201710201214346567/
▶︎過去の、オル・バレケット
http://43142.diarynote.jp/201806201223491195/

<今日の、ワクワク>
 ライヴ後におやぢな飲み屋に入ると灰皿は? と、従業員から問われる。店舗での喫煙に厳しくなり、もう少しでそういう問いかけもされなくなるのかあ。うれしいなあ。と感じつつ、タバコや葉巻を絵柄にしたアルバム・ジャケットはいろいろあるが、灰皿を出したジャケット・カヴァーは思い浮かばないゾと一瞬考える。→ウェス・モンゴメリーのCTI作『ア・デイ・イン・ザ・ライフ』はそうか。コレクターではないが、ザ・ウェイラーズの英国盤『キャッチ・ザ・ファイアー』(ライターのジッポーをかたどる)とジェファーソン・エアプレインの米国盤『ロング・ジョン・シルヴァー』(葉巻のパッケージを模す)の特殊ジャケ作をぼくはしっかり持っている。1990年代海外に行った際、レコード屋で特殊ジャケ盤やピクチャー・レコードを嬉々として買いあさっていたことがあるんだよなあ。

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