売れっ子セッション・ベーシストであるネイザン・イースト(2011年9月27日、2014年4月22日)のショウは、もう一人ベース奏者のジェイムズ・イーストを立ててのもの。というわけで、過去のリーダー公演と同様にかなり歌モノ〜ソウル傾向にも寄ったパフォーマンスを披露するのかと思ったら、他にシンガーを立てていない今回は基本スムース・ジャズ調でショウを進めたと言うことができるか。ただし、サイド・ベーシストを置くことに現れているように、ネイザンはかなりベース・ソロをとり、スキャットとベース音のユニゾンもいろいろ披露。また、彼は詠唱的なスキャットも何曲かで聞かせた。まったく影の存在であることを求められるジェイムズ・イーストは弟、とっても仲がいいんだな。

 南青山・ブルーノート東京、ファースト・ショウ。他にステージ上には、ドラムのスティーヴ・フェローニ(すべてレギュラー・グリップで叩いていた。元アヴェレージ・ホワイト・バンド。その後、米国で人気スタジオ・マンに。ジョージ・ハリソンとECの双頭ツアーで来日したりも)、ギターのマイケル・トンプソン(2012年6月21日 )とジャック・リー(2010年10月7日)、キーボードのケイリブ・ジェイムズ(2007年1月9日、2007年6月6日、 2014年4月22日)、ウィンド・シンセサイザーとキーボードとアルト・サックスを担当する住友紀人が立つ。やはり、みんなちゃんと演奏する。終盤には、スティーヴィ・ワンダー「ハイヤー・グラウンド」→オハイオ・プレイヤーズ「ローラー・コースター」→ワンダー「サー・デューク」のアゲアゲ・メドレーもあり。

▶︎過去の、ネイザン・イースト
http://43142.diarynote.jp/201109300923303323/
http://43142.diarynote.jp/201404260858553785/
▶︎過去の、マイケル・トンプソン
http://43142.diarynote.jp/201207031311348277/
▶︎過去の、ジャック・リー
http://43142.diarynote.jp/201010110934082197/
▶︎過去の、ケイリブ・ジェイムズ
http://43142.diarynote.jp/200701131419060000/
http://43142.diarynote.jp/200706131357530000/
http://43142.diarynote.jp/201404260858553785/

 その後は、渋谷・サラヴァ東京に移動。入店すると、短髪で短めのスカートを履いたヴァネッサ・ブレイが演奏中。ありゃ、山口コーイチと各々ソロ・ピアノをやり、その後一緒に連弾するという情報は得ていて、ブレイの名前が前にあるので、山口→ブレイの順番で演奏するのかと思ったら、残念ながら逆。うえーん。巨人ポール・ブレイ(1999年6月1日)の娘である彼女は、シャーデー・バンドのスチュワート・マシューマンらと組んだトゥイン・デンジャー(2013年4月16日)で来日したことがあったが(アルバムはデッカ/ユニバーサルから出した)、ソロ・ピアノ作品も(たぶん)2枚出している。ぼくが入ってからの演奏は耽美性と流動性の重なりが耳に残った。

 その後、不破大輔(2004年9月1日、2005年12月22日、2006年1月14日、2006年1月21日、2006年8月27日、2006年11月15日、2006年12月1日、2007年1月13日、2007年6月3日、2007年6月13日、2008年7月6日、2009年7月26日、2009年9月27日、2010年4月22日、2010年9月19日、2013年5月19日、2015年6月15日、2015年11月23日、2017年11月23日)物件に関与もしているピアニストの山口コーイチがソロ演奏。かつてポール・ブレイを見たさいのスタンダードの断片を素材に弾いていた記憶をもとに、「枯葉」とかをモチーフに指を流しもした。

 二人の連弾は2曲。最初は左側がブレイで山口が高い鍵のほうに座り、二つ目は両者位置を変える。ショウが始まる前に少しお手合わせはしたのだろうけど、そこはかとない諧謔に満ちたかみ合いあり。ヴァネッサのお茶目な面も出ていた。

▶過去の、渋さ知らズ
http://43142.diarynote.jp/200409010713470000/
http://43142.diarynote.jp/200601161256540000/
http://43142.diarynote.jp/200601271857530000/
http://43142.diarynote.jp/200609031311580000/
http://43142.diarynote.jp/200611190320370000/
http://43142.diarynote.jp/200612060135390000/
http://43142.diarynote.jp/200701141431470000/
http://43142.diarynote.jp/200706162321180000/
http://43142.diarynote.jp/200807081247190000/
http://43142.diarynote.jp/200908180046187200/
http://43142.diarynote.jp/200910071809361076/
http://43142.diarynote.jp/201004231559516550/
http://43142.diarynote.jp/201009231554333481/
http://43142.diarynote.jp/201305260923241736/
http://43142.diarynote.jp/201506161247423392/
▶過去の、渋さ以外の不破大輔
http://43142.diarynote.jp/200512231
http://43142.diarynote.jp/200706061351450000/
http://43142.diarynote.jp/201511250531202253/
http://43142.diarynote.jp/201605170939589783/
http://43142.diarynote.jp/201711241828493970/
▶︎過去の、ヴァネッサ・ブレイ/トゥイン・デンジャー
http://43142.diarynote.jp/201304180910514763/
▶過去の、ポール・ブレイ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livejune.htm

<今日の、てへっ>
 タクシーで移動したのだが、呑気に電車とか使っていたら、ヴァネッサ・ブレイの演奏はほとんど聞くことができなかったかもしれない。帰り際、出口の横にブレイがいたので、軽く話しを交わす。カーラ・ブレイ(1999年4月13日、 2000年3月25日)と別れた後にポールが結婚したヴィデオ・アーティストであるキャロル・ゴスとの娘さん。トゥイン・デンジャーのときとは同じ人とは思えないと伝えると、微笑む。ちょい接した感じは、かなり人間味のある人という印象も。お父さんも才気走りまくっていたが、情に満ちていた印象はあるもんなー。ま、なんだかんだで、父親の存在を認識させるところはある。今日会場にいた人もポール・ブレイ流れで来ていたのではないか。今はピアノに専念することになったのかと思えば、そんなことはないそう。なんと、トゥイン・デンジャーは続いていると明言。インプロヴィゼーション音楽もポップ・ミュージックもハイブリッドに抱える。それが、今のミュージシャンの特権だ。ところで、会場で日本のECM浸透の元締め的存在であり、今はジャズ・サイト<JAZZ TOKYO>を主宰する稲岡邦弥さんがいらっしゃった。知人が紹介してくれたので、初めましてと挨拶したら、「会っていますよ、チリチリした髪型をしていたでしょ」。ありゃ、確かに1990年代初頭にはそういう弾けた髪型をしていたこともありましたー。
▶過去の、カーラ・ブレイ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live1.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-3.htm

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