映画「アウトサイダーズ」。映画「クイーン 旅立つ私のハネムーン」
2017年12月6日 音楽 午後一から、渋谷・映画美学校試写室で、続けて二つの映画を見る。2016年英国映画と、2014年インド映画。原題はそれぞれ、「Trespass Against Us」と「Queen」。まあ、後者の元タイトルもなんだが(主人公の名前の意味が、英語だと女王というものになるらしい)、二つとも邦題のセンスはいま一つだな。
映画「アウトサイダーズ」はアダム・スミスの監督作。彼、デジ・ロックの雄ユニットであるザ・ケミカル・ブラザーズ(2000年1月8日、2002年7月27日、2005年2月13日)の登場時からその映像作りに関わってきた、音楽畑のクリエイター。彼らの2011年フジ・ロック・フェスティヴァルのヘッドライナー出演時の模様を20台のカメラで撮ってまとめた「Don’t Think」は本当にクールな仕上がりであると思う。そして、本映画の音楽はザ・ケミカル・ブラザーズの片割れであるトム・ローランズが担当している。
窃盗などの犯罪を繰り返しながらトレイラーで英国各地を放浪する家族(それ、実在のモデルがあるそう)を題材に置くもので、台詞には“トラヴェラー”(2013年6月20日の項参照)とか“ジプシーイズム”とかいう言葉も出てくる。当初、その邦題もあり、社会の規範から外れたところで生きる人たちの“UK、出口なし”のクライム・ストーリーがスタイリッシュに描かれるのかと思った。スミスがロック/ダンス・ミュージック界隈から出てきた人物ゆえ、映画「トレインスポッティング」のような性質の作品かと想像したら、これがぜんぜん違った。
舞台は田舎で、自然がいっぱい、多少電気音が使われる場合はあるものの、音楽にはレイヴのレの字もない。そして、ここで描かれるのは、治外法権的犯罪ファミリーに帰属している<父と息子、そしてその息子とまた息子>のつながりを主題におく人間模様を描いた、まさしくヒューマン・ストーリー。いやあ、なんか徐々に、どんどん心に響いてくるものあり。TVドラマとかは作っているようだが、これが初長編映画となるそうなスミス監督、力がある。最後の場面描写も、いいなあ。来年2月初旬から公開される。
▶︎過去の、ザ・ケミカル・ブラザーズ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-1.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-7.htm
http://43142.diarynote.jp/200502141659550000/
▶︎過去の、トラヴェラー記載
http://43142.diarynote.jp/201306241438288191/
2本目は、「クイーン 旅立つ私のハネムーン」。監督はインドでプロデューサーもいろいろやっているというピカース・バールで、プロデューサーはボリウッド屈指の映画監督であるというアヌラグ・カシヤップ。ぼくはインド映画に疎いので、まったく知らない人たちではあるが。資料には、米、英、カナダで、かなりな高成績を収めたとある。海外では120分ちょいの短縮版が用意され、この日はそのヴァージョンが流されたが、来年あけからの日本でのロードショウ公開は146分のオリジナル版が公開されるという。
映画の尺が長いのは、随所で曲がヴィデオ・クリップのように延々(台詞なしで)用いられるのが一因。その指針でインド映画だと思う人がいるのかもしれないが、ぼくには痒い。なんか少女漫画的で、安い。音楽担当のアミト・トリヴェーディーも同国の辣腕作曲家というが、サウンドがそれなりにチープ。ぼくは大音量で流れてくる音楽にイラっとくる場合があった。筋と沿う歌詞(字幕に出る)はけっこう良く出来ていると思ったも。
ストーリーは、以下の感じ。デリーに住むインドの封建的な家庭や社会通念で育った箱入り娘が我がまま御坊ちゃま君から挙式前日にフラれ、意気消沈。ながら、ハネームーンで行くはずだったパリとアムステルダムに単身向かい……。新しい人間や環境と出会い主人公が変わっていく様を洒脱に描き、舞台が欧州なこともあり通常のインド映画のノリからは離れた作風と言えるだろう。話が御都合主義でラフと感じもぼくはするが、クスっとできたりする場面は多く、またこの展開はどう落ち着くのかとかいう興味も喚起するし、なんだかんだでふふふと見てしまった。肩の凝らないハッピー度の高い映画を求める向きには吉か。
<今日の、後悔?>
1個目と2個目、試写室で同じ席に座ってしまう。まあ、わりと見やすい席で通路の隣に位置し、ぼくとしてはアリなのだが、なんか好奇心のない人間のように少し思えてしまった? どよ〜ん。しかし、じじいのマナーはなっておらん。前者は2人、後者は1人、エンド・ロールが始まったとたん、ぬけしゃあしゃあと席を立つ。クレジットを確認したくなったりはしないのかなあ? じじい比率は高くないので、これはすごい確率の高さで駄目じじいがいたことになる。そういえば、先日紅葉を見に行ったとき茶屋に入り御燗を楽しんだのだが、そこは自分で食器を返すシステムになっていた。だが、横のほうにいたかしましい老人の集団はかまわず置きっぱなしで席を立ち、後から来た人が困惑していた。
映画「アウトサイダーズ」はアダム・スミスの監督作。彼、デジ・ロックの雄ユニットであるザ・ケミカル・ブラザーズ(2000年1月8日、2002年7月27日、2005年2月13日)の登場時からその映像作りに関わってきた、音楽畑のクリエイター。彼らの2011年フジ・ロック・フェスティヴァルのヘッドライナー出演時の模様を20台のカメラで撮ってまとめた「Don’t Think」は本当にクールな仕上がりであると思う。そして、本映画の音楽はザ・ケミカル・ブラザーズの片割れであるトム・ローランズが担当している。
窃盗などの犯罪を繰り返しながらトレイラーで英国各地を放浪する家族(それ、実在のモデルがあるそう)を題材に置くもので、台詞には“トラヴェラー”(2013年6月20日の項参照)とか“ジプシーイズム”とかいう言葉も出てくる。当初、その邦題もあり、社会の規範から外れたところで生きる人たちの“UK、出口なし”のクライム・ストーリーがスタイリッシュに描かれるのかと思った。スミスがロック/ダンス・ミュージック界隈から出てきた人物ゆえ、映画「トレインスポッティング」のような性質の作品かと想像したら、これがぜんぜん違った。
舞台は田舎で、自然がいっぱい、多少電気音が使われる場合はあるものの、音楽にはレイヴのレの字もない。そして、ここで描かれるのは、治外法権的犯罪ファミリーに帰属している<父と息子、そしてその息子とまた息子>のつながりを主題におく人間模様を描いた、まさしくヒューマン・ストーリー。いやあ、なんか徐々に、どんどん心に響いてくるものあり。TVドラマとかは作っているようだが、これが初長編映画となるそうなスミス監督、力がある。最後の場面描写も、いいなあ。来年2月初旬から公開される。
▶︎過去の、ザ・ケミカル・ブラザーズ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-1.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-7.htm
http://43142.diarynote.jp/200502141659550000/
▶︎過去の、トラヴェラー記載
http://43142.diarynote.jp/201306241438288191/
2本目は、「クイーン 旅立つ私のハネムーン」。監督はインドでプロデューサーもいろいろやっているというピカース・バールで、プロデューサーはボリウッド屈指の映画監督であるというアヌラグ・カシヤップ。ぼくはインド映画に疎いので、まったく知らない人たちではあるが。資料には、米、英、カナダで、かなりな高成績を収めたとある。海外では120分ちょいの短縮版が用意され、この日はそのヴァージョンが流されたが、来年あけからの日本でのロードショウ公開は146分のオリジナル版が公開されるという。
映画の尺が長いのは、随所で曲がヴィデオ・クリップのように延々(台詞なしで)用いられるのが一因。その指針でインド映画だと思う人がいるのかもしれないが、ぼくには痒い。なんか少女漫画的で、安い。音楽担当のアミト・トリヴェーディーも同国の辣腕作曲家というが、サウンドがそれなりにチープ。ぼくは大音量で流れてくる音楽にイラっとくる場合があった。筋と沿う歌詞(字幕に出る)はけっこう良く出来ていると思ったも。
ストーリーは、以下の感じ。デリーに住むインドの封建的な家庭や社会通念で育った箱入り娘が我がまま御坊ちゃま君から挙式前日にフラれ、意気消沈。ながら、ハネームーンで行くはずだったパリとアムステルダムに単身向かい……。新しい人間や環境と出会い主人公が変わっていく様を洒脱に描き、舞台が欧州なこともあり通常のインド映画のノリからは離れた作風と言えるだろう。話が御都合主義でラフと感じもぼくはするが、クスっとできたりする場面は多く、またこの展開はどう落ち着くのかとかいう興味も喚起するし、なんだかんだでふふふと見てしまった。肩の凝らないハッピー度の高い映画を求める向きには吉か。
<今日の、後悔?>
1個目と2個目、試写室で同じ席に座ってしまう。まあ、わりと見やすい席で通路の隣に位置し、ぼくとしてはアリなのだが、なんか好奇心のない人間のように少し思えてしまった? どよ〜ん。しかし、じじいのマナーはなっておらん。前者は2人、後者は1人、エンド・ロールが始まったとたん、ぬけしゃあしゃあと席を立つ。クレジットを確認したくなったりはしないのかなあ? じじい比率は高くないので、これはすごい確率の高さで駄目じじいがいたことになる。そういえば、先日紅葉を見に行ったとき茶屋に入り御燗を楽しんだのだが、そこは自分で食器を返すシステムになっていた。だが、横のほうにいたかしましい老人の集団はかまわず置きっぱなしで席を立ち、後から来た人が困惑していた。
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