錦糸町・すみだトリフォニー・ホールで、ペンギン・カフェ(2014年9月27日、2017年7月8日)を見る。ピアノを主に弾くアーサー・ジェフスとなんでも屋のグレン・ベリーに加え、ダブル・ベースとドラム(セットを置いていたが、手で叩く曲も少なくないなど、パーカッション的な近い方をする)、さらにストリング・カルテット(うち、女性が2人)という8人で、反復基調のたおやかなインストゥメンタルを繰り広げる。やはり独自の洒脱道を飄々と行き、聞く者をリラックスさせつつ、耳を鋭敏にさせる。

 2部構成。2部の頭の2曲には相対性理論のやくしまるえつこ、永井聖一、山口元輝が加わる。1曲目は彼女たち手動でペンギン・カフェが完全にバック・バンドになっていた。

▶︎過去の。ペンギン・カフェ
http://43142.diarynote.jp/201409291720019557/
http://43142.diarynote.jp/201707101243147840/

 その後は、南青山・ブルーノート東京で、1年強ぶりに再来日したジョン・ケイル(2016年8月7日)の実演を見る。キーボードを押さえながら歌う本人に加え、ギターのダスティン・ボイヤー、電気ベースのジョーイ・マランバ、ドラムのディーントーニ・パークスという陣容。

 うわわー。びっくり。バンドは同じ顔ぶれながら、進化し、大きく前に踏み出していた。ぶっちゃけて言うと、ケイルとパークスの二人のプロジェクトとなっていた。そのぶん、ギタリストとベーシストの占める割合は減じており、この二人だけでライヴをやっても問題はないのではないかとさえ思える部分も多々あり。とともに、先鋭派パークスの関与する裁量が大きくなったことで、“進行形のケイル表現”という感じはより前に出る。しかし、どこで両者は知り合ったのか? ケイルはずっと米国住まいなのかな。

 なんと今回のパークスのキットにはシンバルが置いていない(バスドラ、スネア、ハイハット、タムは普通に設置)。その代わり彼はキットに組み込むように置かれたPCと首っぴきという感じで、PC音に手弾きの音をちょいちょい足していくのだ。そして、その総体は現代の立ちやエッジを有し、ケイルの過去曲を今に持ってきてしまう! ケイルがギターを手にした最後だけ、一切PC音を使わないバンド音で曲をまっとうした。背後のスクリーンには映像が投射されていたが、パークスの顔にもそれは写っており、彼は眩しくなかったのだろうか。

▶︎過去の、ジョン・ケイル
http://43142.diarynote.jp/201608111100555412/

<今日の、がっかり>
 錦糸町に向かう半蔵門線の車内の広告に目が留まる。<すみだガラス市>。今日と明日との日程と記され、場所もこれから行くすみだトリフォニー・ホールに近い。やりぃ。時間的に余裕を持って家を出てきているし、どんなものか知らないが、これは覗くことができるではないか。そして、ニコニコと会場に行ってみたら、テントが皆しまっている。ようは、もう終わっている。あれれェ。後で調べたら、クローズは午後4時。真冬でもないのに、いくらなんでも閉まるの早すぎない?

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