わーい、カーネギー・ホールだ。そんなに過度なフィッシュのファンではな
いけど、この由緒正しいホールを一回ぐらいは覗いてみたくて行ってみました
。昔、ジャズ奏者にとってここに出るのは超エスタブリッシュされた証だった
んだよな。小綺麗かつ重厚な建物内物には歴史の積み重ねを伝える写真や印刷
物なんかが額で飾られたり、一角にはそういうものをまとめた展示室もある。
普段はやはりクラシック系の出し物をやっているようだ。87年あたまにロンド
ンのロイヤル・アルバート・ホールに行ったときのことを少し思い出す。<初
老の上品な白人ドアマンと歴史ある建物造形>と<汚いオーディエンスとトイ
レ>の対比が凄かったなあ。そのときは、ジミー・ソマーヴィル、ルビー・タ
ーナー、デビュー直後のテレンス・トレント・ダービーという組み合わせだっ
た。

 ソールドアウトかなあ、でもダフ屋もいるでしょと駄目もとで行き、とりあ
えずボックス・オフィスを探そうとしたら、入口横にチケット片手の人がいる
。お。20ドルの券だけど10ドルでいいと言う。即、買う。ラッキー。それ、4
階席のようであった。トイレに行って階段を登ろうとすると、また別の青年が
25ドルの席と取り替えてくれないと言ってくる。なんでも、ガールフレンドが
そっちのフロアなんだそうだ。ああ、いいよ。というわけで、ぼくは一番下の
フロア席に。へえ、こんなこともあるんだ。プチわらしべ長者キブン?

 オーディエンスは正装の人もいるが、やはりフィッシュヘッズっぽい人も。
当然のことながら、ぼくも普通の格好で行きました。カーネギー・ホールに出
るというのは相当な晴れ舞台のはずで、ヴァーモント(もちろん、フィッシュ
の地元である)からも関係者が大挙来ているのかな? で、肝心の出し物なん
だが、ちゃんとした格好で出てきた楽団員は100 人ぐらいいた。とっても、で
っかいオーケストラ。髭面指揮者いがいは、多分みんな大学生か高校生。で、
ほほうとうなったのはそのレパートリー。もらったプログラムには曲ごとに<
NY初演>とか<ワールド・プレミア>とか書いてあったが(これを、書いて
いる時点でそれがどこかに行っちゃってて、うろ覚えで書いてマス)、これが
どの曲もそれなりにアヴァンギャルドなわけ。手のあいている奏者たちが手拍
子をする曲もあったし、なんとなくフランク・ザッパのオーケストラ表現を思
い出させるものもあった。ほう。ちょっと、ヴァーモントの不思議を感じたか
も。

 2部構成。フィーチャリング・トレイとなっていながらも、アナスタシオ抜
きで2部の最後のほうまで進む。最後の2曲になって、黒いスーツに黒いシャ
ツとタイで決めたアナスタシオが登場。とたんに、ホール内は大騒ぎ。彼はオ
ーケストラにあわせ、生ギターを演奏。うち、1曲はアナスタシオの作曲した
曲で、1曲ではオーケストラ員の女性と歌のデュエットを聞かせた。

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